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後継者税理士は集客が必須科目!

      2015/09/14

会計事務所は二代目・三代目が多いのが特徴です。承継時は「先代や古参スタッフとの人間関係」「従来の顧問先との関係」「顧問先廃業による売上減少」「旧来型事務所からの脱却」等で悩むケースが多いと言われています。

今回は「29歳三代目税理士」の大野晃氏が「今を生き抜く事業承継」について事例を公開いたします。

29歳三代目税理士が語る「今を生き抜く事業承継」

今この時代を生き抜くための会計事務所の事業承継で大切なのは「二代目、三代目の後継者税理士は集客できなければダメ」ということです。二代目、三代目にとって、もはや集客は必須科目と言ってもいいでしょう。

その理由は2つあります。ひとつは承継時に顧問先が離れていくリスクがあることです。

現在どんなに顧問先が何百件あろうと、それは先代や古参スタッフさんのお客様です。後継者がトップになったとき、そのままついてきてくれるとは限りません。

後継者の先生方はどうしても、先代が残してくれた事務所を「守ろう」と必死になります。しかし、守るだけではお客様が離れていったり、廃業したりしてしまいます。だから、集客が必要なのです。

もうひとつの理由は、先代や古参スタッフに認めてもらえるからです。私が祖父、父と続いた会計事務所に入ったとき、周囲のスタッフはみんな年上で「重鎮」「エキスパート」という言葉がぴったりな方ばかりでした。この方々には実務経験では勝てません。

もし私が重鎮・エキスパートスタッフと一緒になって頑張って記帳代行や巡回監査を行ったとしても、トップになったときに誰も私を認めてくれないと思います。「あなたがいなくても実務は回る」と一蹴されるでしょう。

一方、集客はスタッフが持っていない技術になります。そこに私は注目し、Webマーケティングに力を入れ、メルマガを配信したり、異業種交流会に出てリストを集めたり、積極的に動くようになりました。これが大切なのです。

するとたちまち顧問先が増えていき、事務所に勢いがつき、雰囲気がぐんと良くなりました。

業歴が長い会計事務所では顧問先の廃業が続き、暗い話ばかりです。スタッフも「このまま事務所にいたら、給料が落ちてクビになるのでは」と沈んでしまいます。しかし、集客して顧問先が増えれば、事務所の売上が伸び、スタッフの給料も増えます。するとモチベーションが上がり、雰囲気が良くなります。ここまでしてはじめて、先代や古参スタッフから認められるような気がします。

後継者が古参スタッフを説得しても失敗する

もうひとつ、会計事務所の事業承継で大切なのは「後継者が古参スタッフを説得しても失敗する」ということです。

古参スタッフには何十年も続けている仕事の「型」があります。それを若手の後継者が「ああやれ、こうやれ」と言っても変わるわけがありません。そこで私は自分よりも若いスタッフを採用し、研修に行かせて法人税の申告までできるようになるまで育成しました。

ここで何が起こったか。これまで記帳代行しか行ってこなかった古参スタッフが自ら「私も勉強します」と、法人税の申告をマスターするようになりました。

事業承継は、今の顧問先、今のスタッフのまま「守ろう」と思わないほうがいいと思います。それは進化ではありません。自ら集客やマーケティングができれば、万一ゼロになってもやり直せます。

20人未満の会計事務所ならば、守ることを考えず、思い切って責めることをチャレンジしたほうが事務所経営は楽しくなると、私は考えています。

『会計事務所の事業承継事例』

大野 晃氏
ITA大野税理士事務所副所長税理士。飲食店経営アドバイザー。相続診断士。1984年11月生まれ。2012年3月税理士登録。飲食店経営に特化した会計業務と利益を生み出すための専門手法で、飲食店の繁盛化をサポートしている。

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