毎年100件超の新規獲得実現までの軌跡を公開!
2015/09/24
会計事務所を開業し、ビジネスとして成功させるには、さまざまな試行錯誤を重ねます。ときには遠回りすることもあるでしょう。どんなに現在成功している税理士でも「あのとき、こうしていれば」という思いがあります。毎年、100件超の新規獲得を実現している、税理士法人イデアコンサルティングの伊東大介代表社員税理士も例外ではありません。
2005年に個人事務所で独立開業して以来、ちょうど10年を数える伊東氏。2014年は200件超の新規顧客を獲得し、順調に業績を伸ばしてきました。これまでの10年間の軌跡と転機について、伊東氏に話をうかがいました。
開業1年目から5年目までの軌跡
[開業1年目]
スタッフ:伊東氏のみ
顧問先数:約20件
●実家の一室で開業
●すべて自分でやろうとした
●飲食店等で知り合った人と意気投合して顧問契約
「独立したからには、すべて自分で引き受けようと決めていました。郵便出しやFAXなどあらゆる作業も自分でやっていました。人を雇おうとは考えていませんでしたね。まずは、自分を強くしようと思っていました」
[開業2年目]
スタッフ:伊東氏のみ
顧問先数:約40件
●1年目の流れを受けて顧客増
●顧客対応中心
●システム化を考えた
「飲み友達がお客さんになったり、紹介をもらったり、あとはネットで顧客を増やし、40件になりました。ネットからは近所のネイルサロンや美容院からの引き合いが多かったですね」
[開業3年目]
スタッフ:3人
顧問先数:約50件
●新宿区高田馬場に事務所を移転
●スタッフを採用し、税理士法人化
●個人事業から組織化を図る
「最初の大きな転機でした。スタッフを入れて税理士法人化しました。会社組織にしたいので、朝礼を行い、勤怠もチェックしましたね。ただ、これまでの私の仕事を皆に分けてやってもらった程度なので、のんびりしていました」
[開業4年目]
スタッフ:4人
顧問先数:約80件
●経験者を採用
●新規獲得のアクセルを踏む
「新規契約を取って、経験者に仕事を任そうとアクセルを踏み込みました」
[開業5年目]
スタッフ:6人
顧問先数:約120件
●営業を本格的にスタート
●複数人採用
「税理士を1人、未経験者を1人採用して6人体制。人を先に採って先行投資していました。当時はまだ営業は私1人。リスクを取らない程度にやっていましたが、本格的に営業をしようと決意しました」
開業6年目から現在までの軌跡
[開業6年目]
スタッフ:10人
顧問先数:約170件
●初めて女性スタッフを採用
●恵比寿へ移転
●来所型サービスの導入
「これまで男性スタッフだけだったので、女性を採用しようと思いました。そこで事務所を高田馬場から恵比寿に移転。効果はてきめんで、女性3人、男性1人を採用できました」
[開業7年目]
スタッフ:15人
顧問先数:約240件
●営業のシステム化
●飲食特化型戦略スタート
「スタッフが余っている状態だったので、全員で営業をするようにしました。今まで営業は自分でも得意だと思っていて、人に任せる発想がありませんでした。しかし、自分一人では件数が限られています。営業研修で知り合った先生から『スタッフに営業を任せている』という話を聞いて、全員で営業しようと決めました。それからもっと営業に力を入れようと、営業部隊を結成。飲食店出身者に飲食関係の顧問先を集中させ、特化型戦略を取りました」
[開業8年目]
スタッフ:18人
顧問先数:約350件
●営業のシステム化に成功
●爆発的な顧客増加
●業務が追いつかなくなってくる
●採用が困難になる
「潮目が変わった年でした。これまで1人も辞めてなかったのですが、1人退職しました。ここで『人は辞めるものだ』と思うようになりました。あと、大規模事務所が大量採用をしたことと、景気が良くなったことから、採用が難しくなりましたね。業務も追いつかなくなり、年末調整や確定申告が大変でした」
[開業9年目]
スタッフ:21人
顧問先数:約520件
●アルバイトを含めて9人退職
●顧客増加も業務が追いつかない
●採用に時間とお金をかけようと決意
●クレド制作
「昨年の3月から5月にかけて大量に辞めてしまいました。なおかつ、なかなか採用できなかったので、業務的にきつかったですね。採用にコストをかけようと決めました。オフィスが手狭になったので、同じ恵比寿でも別の場所に事務所を移転。業務スペースを広くして、スタッフのことを考えていることを形に示しました」
[開業10年目]
スタッフ:22人
顧問先数:約550件
●10人採用予定
●体制強化
「クレドをベースに、経営理念を初めて形にしてみました」
「もっと投資してリスクを取るべきだった」
開業当初からを振り返ると伊東氏は「もっと投資してリスクを取るべきだった」と指摘します。
「最初から多額のお金をかけていれば、もっと早い段階で大きくなっていたでしょう。『このくらいいけば御の字』と目標も低く、自らリミッターをかけていたと後悔しています」
どんなに成功している会計事務所でも、大なり小なり失敗があり、試行錯誤を重ねます。事務所を経営する上で、できればそうした遠回りは避けたいものです。それには、成功している会計事務所の事例に学ぶのが一番。
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伊東大介氏(代表社員 税理士)
税理士法人イデアコンサルティング(東京都渋谷区)
2005年、新宿にて伊東事務所として創業。2008年に税理士法人化。2011年、渋谷区恵比寿に移転。2014年には現在地に移った。毎年売上40%増の成長を遂げるベンチャー企業的会計事務所。飲食業、IT企業、アパレル等、ベンチャー・中小企業の経営支援に強みを発揮。「ビジネス成功研究会」という異業種交流会を主催し、顧問先同士のビジネスマッチングサービスにも力を入れる。