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医業向け財務コンサルティングで押さえておくべき数字

      2015/09/08

厚生労働省のデータによると、ここ数年、医療機関の外来患者数は横ばいながらも、開業医は毎年増加しています。これは会計事務所にとってチャンスです。クリニックの開業支援ができるからです。

今回は、三重県桑名市で医業に特化し、全顧問先550件中150件を医療関係が占める税理士法人中央総研が、医業向け財務コンサルティングで押さえておくべき数字について説明します。

開業医は毎年増加。会計事務所にとってチャンス!

財務の数字から見た、医業コンサルティングのポイントについてお話ししたいと思います。

一般企業の経営の数字を把握する場合には、売上・前年比較・商品別のABC分析・顧客別のABC分析・同業他社の比較・新規顧客数やリピート率などで分析をします。

クリニックの場合も同じように分析をしますが、以下の項目は、最初に把握していただきたい項目です。これらの項目の数字を把握することによって、問題を発見し、解決することができます。また、クリニックの強みと弱みが明確になってきます。

把握しておきたい11の数字

1.診療収入
収入が減少している場合、単価が下がっているのか、患者数が減少しているのか検討します。

2.社会保険診療と自由診療の比較
診療収入の内容を分析することにより、クリニックの診療の傾向をつかむことができます。

3.診療行為別の収入
患者様に行った診療行為の集計を見ます。

4.保険種類別の収入
保険の種類ごとの集計から国保の患者様や老人の患者様が多いなどの傾向が把握できます。

5.地域別や年齢別の患者数
地域別や年齢別の分析をすることで、どのようなサービスをすればよいかなどの参考になります。

6.1日当たりの患者数
患者数の減少があった場合に、初診の患者数が減っているのか再診患者数によるものか、またはドクターの対応やスタッフの態度に問題があるのか等の検討材料になります。

7.初診患者数
初めて受診した患者数が伸びているかどうか。

8.再診患者数
診療後に、同一疾病で通院した場合の2回目以降の診療を受けた方が多いかどうか。

9.診療単価
診療単価の比較をすることで、点数の取り漏れがないか、請求は正しいかなどを検討します。

10.レセプト一枚当たりの単価
一枚当たりの単価が高過ぎないか、低過ぎないか。

11.回転数
1ヵ月につき一人の患者様が来院した回数で、回転数の検討をします。

ドクターは医療のプロでも経営のプロとは限らない

ドクターは毎月の売上高とその推移を確認していくことが重要です。クリニックのポジションが今どの時点にいるのか、診療収入が右肩上がりか、右肩下がりなのか。患者数が減っているのか、増えているのか。診療単価が下がっているのか、上がっているのか。診療原価が高過ぎていないか、低過ぎていないか。人件費は適正かなどのポイントを押さえて、クリニックの数字を見ていくことです。

ドクターは医療のプロであっても、経営のプロであるとは限りません。経営や税務のアドバイスは、税務のプロである税理士に求められるのではないでしょうか。

『医業経営コンサルティング総合ガイド』

税理士法人中央総研(三重県桑名市)
顧問先数550件(うち医療関係150件)。医業特化を推進中。所員数30名。

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