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開業時の資金繰り指導のポイントとは?

      2015/09/07

会計事務所が新規拡大を行う際、欠かせないのが新設法人等の開業支援です。開業時は予想以上の出費がかかり、綿密な資金繰り指導を要します。

今回は、創業融資に強みを発揮する黒川明税理士が、開業時の資金繰り指導のポイントについて解説します。

漏れがない具体的なシミュレーションが不可欠

開業時の資金繰り指導のポイントとしてはまず、売りと買いの入金サイトのバランスをチェックしましょう。どういったところから仕入れ、どういったところに売るのかをヒアリングします。

ここで重要なのは、仕入れの支払いです。売上の入金後に支払わないと、運転資金が増大し、資金繰りを圧迫します。売上の入金がまだなのに、先に仕入れや人件費等を払うと、当然ながら資金がなくなり、売れれば売れるほど資金繰りがタイトになります。そのあたりを考えているかどうかを確認しましょう。

創業時の社長さんは、案外こうした売りと買いの入金サイトのバランスについて考えていない場合が少なくありません。「払うものはしっかり払っておこう」と、きっぷがいいタイプの方も多いので、しっかりと指導しましょう。

また、新規開業者が仕入先と取引を始める際に、仕入保証金を求められる場合があります。あるいは現金取引しか認めてくれないケースも想定されます。これらについても、創業社長さんは意外と知らなかったりするので、注意が必要です。

社長の生活費も忘れずに計上する

開業時の出費としては、主に次のものが挙げられます。

●オフィス家賃の保証金
●内装一式
●OA機器の購入・リース資金

自分では「これで十分」と思っていても、後からいろいろな物資が必要になり、予想以上の出費がかさみます。「その他の費用」として、数十万円程度は見積もっておくとよいでしょう。漏れがないようにシミュレーションすることが求められます。

また、社長自身の生活費も勘案しましょう。やる気に満ちた創業社長さんは「当面は給料なんかいらない!」と熱意を示すタイプが目立ちますが、実際問題さまざまな生活費が必ずかかります。これを計上しないと必ず資金ショートの憂き目にあいます。

入出金だけでなく現預金の残高管理が重要

開業時の資金繰り指導で大事なのは、しっかりと資金繰り表を作成することです。頭の中で資金繰りを計算できる社長さんはいません。創業してみると計算外の事態に多く出くわします。エクセル等で管理して、しっかりと指導にあたることをおすすめします。

資金繰りを指導するには、入金と支払いのみを管理しても不十分。現預金の残高がないと、会社を続けることができません。よって、常に現預金の残高管理が重要なのです。

開業時は予想以上に資金がかかります。ここの見通しが甘かったために、開業してから間もないうちに資金ショートを余儀なくされるケースが少なくありません。具体的かつ余裕を持ったシミュレーションが、資金繰りの円滑化には大切なのです

黒川 明税理士
1978年北海道生まれ。2008年1月、多摩市で黒川税理士事務所を開業。「税理士が中小企業を支えることで、日本は元気になれる。税理士が中小企業を支えるためには会計税務の王道を行くことである」と考え、外からはわかりにくい税理士の仕事の品質を重視する。「経営者セミナー」などを定期的に開催し、会社をバックアップしている。
[創業融資について]
●顧問先への融資のアドバイスを得意としている
●顧問先は50%以上が新設法人であるため、創業融資に特に強い
●仲間の税理士からの紹介で融資のみの単発コンサルティングの提供も行っている
[営業について]
●2008年にゼロから開業し2011年現在の顧問先は200社以上
●新設法人への営業を得意とする
●面談後の契約の成約率は90%以上

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