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「税務調査百戦連勝テクニック」を公開!

      2015/09/08

間もなく「税務調査の秋」が到来します。「税務調査に強い税理士」は事務所経営上、さまざまな効果をもたらします。「何千万円もかかる税金を大幅に減額してくれた」「税務署が来る恐怖と不安をやわらげてくれた」というように、顧客満足度が大幅に向上するのです。

今回は「税務調査専門税理士」として知られる渡邊勝也税理士が、税務調査対応のヒントについて解説します。

判決・判例等から学ぶ税務調査対応のヒント

最高裁昭和27年3月28日第二小法廷判決(刑集6巻3号546頁)
相手方に検査章の呈示を求めたに対して収税官吏が之を携帯せず、又は携帯するも呈示しなかった場合には、相手方はその検査を拒む正当の理由があるものと読むべきである

これは刑集(最高裁判所刑事判例集)からの判例です。いろんな判決事例や裁決事例の話をする際に、この刑集や民集(最高裁判所民事判例集)というように、一番権威があるものを使うことが重要です。裁判事例を挙げる際は、地裁なのか高裁なのか、最高裁でも民集に載っているものなのか、刑集に載っているものなのか、出所をチェックしておいたほうがよいでしょう。

この判例は何かというと、税務調査が始まり、税務調査官が来たときの対応について述べています。通常、調査官は身分証明書と検査章の2つを提示します。このとき必ずチェックしていただきたいのは「法人税・消費税・印紙税に関する質問検査章」というように、どの税目に関して調査をする権限があるかという点です。

例えば「法人税・消費税・印紙税に関する質問検査章」と出ていれば、この調査官は所得税に関する調査をする権限がないことになります。質問検査権がなければ、「個人の確定申告書をちょっと見せてほしい」と言われても、見せる必要がないのです。

最近は法人課税部門でも所得税の調査をする権限があるケースも多くなっています。しかし、上席調査官や担当官レベルだったりすると、法人課税は法人税と消費税と印紙税だけだったり、個人課税であれば所得税と消費税と印紙税だけということがあります。そこをきちんと見極めて、質問検査権の範囲をきちんと把握しておくべきです。

判例のレベルで自分の武器の強さを示す

それと同時に税理士自身も税理士証票を提示することになっています。税理士法32条で定められているので、きちんとフェアな対応をしましょう。

どのレベルの判例をもって話をするのかは、自分が持っている武器の強さを示します。少しでも権威のある判例を知っておいたほうが、税務調査官と交渉するには有利に進むのです。

きちんと知識を得て、知識に裏付けられた行動を取ることで、調査官が「この税理士はできるな」と察知します。ここが大事なポイント。税理士がしっかりと知識で武装していることがわかれば、調査官側も法律論で固めた武器を振り回してくることはなく、余計な争いを回避できます。

『税務調査百戦連勝テクニック』

渡邊勝也氏
税理士1973年生まれ。96年中央大学文学部社会学科卒。2010年早稲田大学大学院(税務訴訟補佐人講座)受講。同年TAX GYM渡邊勝也会計事務所設立、代表税理士就任。法人会、青色申告会の講師や「税務調査百戦錬磨」の税理士として、その活躍は税理士業界でも有名。

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